先日、長野へ行ってきました。
長野は姉夫婦が住んでいてよく遊びに行っていた場所なので
とても馴染みがあります。
そして
私が表現者としてものすごーーーく尊敬する
世界的アーティストの
草間彌生さんの出身地でもあります。
草間さんの生家が松本にあります。
そんなゆかりのある長野県は
先々月の台風で甚大の被害を受けました。
千曲川が決壊し、
一階天井まで浸水したおうちもたくさんありました。
そして長野の特産であるりんご農園さんは一夜にして
今年、収穫するりんごをほぼすべてを失ないました。
被害額はすべて合わせて1億円にものぼるのではないかと聞きました。
被災地で見たりんご農園はほんとに悲しいものでした。
大切に大切に育ててきた多くのりんごは地面に散乱し、
わずか木に残ったものも土やほこりがかかり、
傷ついているものも多くありました。
収穫の時を楽しみにしていたりんごたちも農家さんたちも
心が痛むほどつらい思いをしているのではないかと思いました。
私は自分が制作した作品を子どもたちのように思っています。
りんご農家さんにとって大切に育てたりんごは
子どもたちのように愛しい存在なんじゃないかなと思いました。
この光景はほんとに言葉を失う光景で
恐ろしい現実を見ているようでした。
ただ実際に被災地を訪れて
その状況を肌で感じてその痛みや苦しみやさまざまな様子を
伝えることの重要性を感じています。
他人事を自分事にする始まりだと思っているのです。
被災地が少し落ち着いた頃に
りんご農園さんのボランティアに行きました。
取りまとめている中村農園の中村さんの紹介で姉と一緒にりんご農家さんへうかがってりんごを入れる箱を高圧洗浄機で洗浄するお仕事を半日ずつ2日間させていただきました。
日頃、体力仕事をしないので結構疲れましたが^ ^
楽しかったんです。
ボランティア先を紹介してくださった中村さんは
「適材適所」と言われていたんですが
女性や子どもさんやお年寄りにも
無理なくできるボランティアを考えておられます。
できることをできるだけボランティア。
私はその考え方にとても賛同します。
それはそれぞれの個性を活かすだとも思っています。
私も個性を活かされて( ´ ▽ ` )ノ
高圧洗浄機でめちゃめちゃりんご箱を綺麗にしました〜イェイ!
初めてする作業だったので時間はかかりましたが
めっちゃ綺麗になって喜ばれました〜
次にするときはタイム縮めれる自信ありまーす(≧∇≦)
ほんとね、
ひとつずつひとつずつ
ほんの少しでいいから
自分ができることをしていこう
そう思いながらひたすら淡々と作業をしてましたよ。
集中しすぎて、めっちゃ時間かかってましたけど
姉と2人でしてまいたけど
こういう作業って性格でますね^ ^
実際に被災地に行ってみて
みなさんが親切で前に向かって進んでいるって感じました。
その力は私の中にある根源にも
めちゃめちゃ火をつけてくれましたね。
私はボランティアという形で応援させてもらったんですが
私がいただいたものもものすごく価値のあるものでした。
出逢ってくれたみなさん本当にありがとうございました。
長野が台風被害にあったとき
テレビから流れてくる映像に衝撃を受けました。
千曲川が決壊氾濫して住宅街一体が浸水していました。
それはほんとに恐ろしい光景でした。
その後すぐにこの「言葉の森〜りんご園より〜」の構想を
思いつきました。
私のアートを使ってなんとか寄付金を集めたい!!
それがその時に描いた「言葉の森〜リンゴ園より〜」の絵コンテです。
この作品はそれより前に「言葉の森」という原案となるものがありました。
それはりんごの形を使うのではなく
葉の形や動物の形にする予定でした。
しかし、この長野台風被害が起こり
この作品はりんごで作ることに決定しました。
作品というのは作りあげるまでに変わり続けるものですし
この作品は今も変わり続けています。
それはまるでひとつの生命体のようです^ ^
制作者としてはとても時代の最先端を行っていると思いますし
とても誇らしいですよ^ ^
この作品はインスターレーションという展示スタイルなんです。
もしかしたらあまり聞き慣れないかもしれませんが
インスタレーション(Installation art)とは、
「ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し、変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術」
Wikipediaを引用すると難しくなってしますが
要するに太字で書かれた
「場所や空間全体を作品として体験させる」
ここがポイントです。
これは私が好んで作る参加型アートとは相性が良い気がします。
参加型アートについては話が長くなるので
また別の記事で書いてみたいと思います。
私はこのインスタレーションの展示作品を
長野県松本市ある松本市美術館で初めて見ました。
その作者が草間彌生さんでした。
彼女の作品を見たときは
ほんとに脳天割られるくらいのショックを受けました。
これまでに見たどのアーティストより私の心を惹きつけました。
その時から私の本当のアーティスト人生は始まったように思います。
作品を作るものだけじゃなく
その空間に触れる者にも
作品の世界に引き摺り込むような
傍観者を傍観者にして置かないような
彼女のインスタレーション作品は
まさしく私の求めている表現方法だったのです。
初めて作った「言葉の森〜りんご園より〜」は
私の初めてのインスタレーション作品になりました。
そしておそらく
一生、心に残る作品になると思います。
「言葉の森〜りんご園より〜」は
和紙で作ったりんごにひとつひとつ言葉を書書かれています。
和紙はぬくもりを感じる越前手漉き和紙使わせていただいています。
そして
この言葉たちは「THE POWER OF WORD(2019)-パワーオブワード」という作品を作るためにFacebookやLINEなどSNSや実際に会った人たちから集めた言葉たちです。
元気なる言葉や大切にしている言葉を
ひとりひとりにお聞きした言葉を書かせていただきました。
「パワーオブワード」はひとつの天井画として完成しましたが
みなさんからいただいた大切な言葉を
「言葉の森」にも使いたいと思って使わせていただきました。
今年の12月7日(2019)に行われた個展で
初めてこの作品を展示しました。
設置には私の母やオーナーのひとみさん、
お手伝いに来てくれたまゆみさん、ティダちゃん
かなり大掛かりな展示となったのでお手伝いをしてもらい、
ほんとに助かりました。
今回の個展では人に助けをかりるということを
一番多く学んだことでもありました。
おかげでこの展示は30分ほどで展示することができました。
おそらく私ひとりで設置していたら
2時間はかかっていたと思います。
おそろしや〜((((;゚Д゚)))))))
ほんとにひとりじゃできないことはたくさんあって
助けの手を差し伸べてくれている人もたくさんいるんですよね。
今まではそれに気づかず
気づいていても受け取れずにいたんですけど
自分を信じて
相手を信じて
その手を掴むだけだったんです。
この世界はすばらしいものだったんですよ♪( ´▽`)
この作品が出来上がるまでには
本当に多くの方が関わってくださいました。
100名を超える方との出逢いによって
この作品は出来上がったのです。
決してひとりでは作ることが出来なかったこの作品は
ほんとに私の生きた証でもあると思っています。
出逢ってくださった方々、
作品に参加してくださった共同制作者のみなさん
心よりお礼申し上げます。
なおこの作品は先日、りんご農園の中村さんの要望により
長野赤沼にある中村さんのりんごを保管する倉庫に
飾られることになり、展示してきました。
中村さんには展示が終わりましたら
希望者の方にこの言葉のりんごを
ひとつずつお渡しくださいとお伝えしてあります。
「必要なものは必要な人のところに」
私はそう思っています。
そして
このりんごたちと一緒にお渡しした作品があります。
「命の力」という壁画用の作品です。
こちらの作品と中村農園さんでの出逢いは
また別の記事に書きたいと思います。
楽しいことがありすぎて長くなっちゃいますからね〜^ ^
若干、引っ張っておきまーす^ ^ニヤリ。
中村農園のみなさん
あたたかく迎え入れてくださってありがとうございました。
今日も最後まで読んでくださってありがとうござました。
また会いましょうね( ´ ▽ ` )ノ
五十嵐ゆか